貴方は水という物質の正体についてご存知ですか?

水という物質の不思議さが隠れている身近な出来事を紹介

水は謎めいた物質

 

私たちの身の回りに豊富に存在する水は、地球上で最もありふれた存在であると考えられがちです。
しかし水は、この世の中で最も不思議な性質を持つ、実に不可解な物質でもあるのです。
たとえば摂氏0度を境に、水は氷へと姿を変えます。
氷を水の中に入れると、氷は水面にプカリと浮かび上がるはず。
これは私たちが日常生活の中で体験する、ごく当たり前の出来事です。
しかし、これは他の物質においては全く考えられない、きわめて不思議な現象でもあるのです。
つまり、液体が固体になるとその密度は増すわけですから、液体のときよりも重くなっているはずです。
ほかの物質ではその考えが当てはまります。
しかし、水の場合のみこの常識が通用しません。
これは、水の分子がすき間の多い独特の形で結合するからだと考えられます。
この性質は地球の環境とも関連があり、もし氷が水より重かったとしたら、地球上はまたたくまに氷でおおわれ
生物は死滅していたことでしょう。
他の水素化合物と比較すると、水の独自性は明らかです。
そのその、水が摂氏0度で凍り、100度で沸騰するという当たり前の事実が、とても不思議であることがわかります。
ほかの水素化合物は分子量が大きくなるにつれて沸点も融点も高くなります。
これに従って考えると、水はなんとマイナス80度で沸騰し、マイナス110度で凍ることになってしまうのです。

また、水はほかの液体と比べ、とても温まりにくいという性質があります。
同じ液体でもアルコールなどは水の半分の時間で温まるほど。
人間の体温が夏でも冬でも一定なのは、この水の温まりにくい性質が影響しているのです。
その上、水はいったん温まると、なかなか熱のエネルギーを手放そうとしません。
地球では水が海流や大気の流れとなって太陽の熱エネルギーを運び
生き物にとって暮らしやすい気候を作り上げていますが、もし、水が熱を蓄える液体でなかったとしたら
昼と夜で気温は激しく変化し、気候条件は一変してしまうでしょう。
ありふれた液体である水は、物理学の観点に立つとこんなにも風変わり。
しかし、その性質が生物にとって都合の良い環境を作り上げているのです。

 

 

水の不思議な性質が生命を支えている

 

水はあらゆる物質と反応し、なんでも溶かします。
まさに究極の溶剤といえるでしょう。
水は見境なく、あらゆる物質に手を出します。
時にはさまざまな物質と手をつなぎ、ときには包み込み、ときには原子の間にわって入り
無理やりその仲を引き裂こうとします。
容易に溶けないといわれる金でさえ、水は時間をかけて少しづつ溶かしてしまうほどなのです。
海の水には自然界に存在するさまざまな物質が溶け込み、何千種類といわれる物質が含まれています。
水にこれだけの溶解能力がなければ、地球に生命が誕生することはなかったでしょう。
この性質は人間の生命活動と重要な関わりがあります。
たとえば血液には各種ホルモンをはじめとする多くのたんぱく質や、ミネラル、ブドウ糖、アミノ酸などが溶け込んでいます。
これらの必要な栄養分がすみずみの細胞に送り届けられるのは、水にいろいろな物質を溶かす性質があるからです。
また、血液がからだじゅうにゆきわたるのは、水の表面張力が大きいため。
たとえば、コップの水にティッシュペーパーの切れ端を差し入れたら
水はみるみるうちに薄い紙に染み込み、水面よりも高いところまで登るはずです。
これは水の表面張力が発揮された毛管現象。
表面張力が大きいほど毛管現象は力を発揮します。

そのため血液が組織の末端にまで届き、生命活動が維持されるのです。